ペドロ・コスタ 「インナーヴィジョンズ」東京都写真美術館

ペドロ・コスタ看板
ペドロコスタ看板

前回からの続きになります。

↓東京都写真美術館まで、2時間かけて歩いてきました。

今日は、こちらを見にきました。

ペドロ・コスタ
1958年、ポルトガル・リスボン生まれ。リスボン大学で歴史と文学を学び、映画学校では詩人・映画監督アントニオ・レイスに師事。1989年の長編デビュー作《血》がヴェネチア国際映画祭で注目を集め、その後《骨》(1997)や《ヴァンダの部屋》(2000)で国際的評価を確立。カンヌ国際映画祭やロカルノ国際映画祭など受賞歴多数。《ホース・マネー》(2014)でロカルノ国際映画祭最優秀監督賞を受賞。《ヴィタリナ》(2019)はロカルノで金豹賞を受賞。アントン・チェーホフの戯曲『三人姉妹』に着想を得て制作した短編ミュージカル映画《火の娘たち》(2023)は第76回カンヌ国際映画祭で特別招待作品として上映され、各国で高い評価を得ている。

ペドロコスタ作品

↓以下、東京都写真美術館による説明です。

東京都写真美術館では、ポルトガルを代表する映画監督ペドロ・コスタ(1958–)による、日本最大規模で、東京では初めてとなる美術館での個展を開催します。コスタは、2018年にポルトのセラルヴェス美術館で開催された「Companhia(コンパニア)」(ポルトガル語で「寄り添う」および「仲間」の意)展や、2022年から2023年にかけてスペイン各地を巡回した「The Song of Pedro Costa」展など、映画だけでなく展覧会という形式においても国際的に高い評価を受けてきました。

本展は、コスタが10代の頃に出会い深い影響を受けた、スティーヴィー・ワンダーのアルバム『インナーヴィジョンズ(Innervisions)』(1973)と同名のタイトルを掲げています。音楽を通して社会と個人の関係に迫ろうとしたこのアルバムの精神は、彼の映像制作の方法論とも深く響き合っています。

旧ポルトガル領アフリカのカーボ・ヴェルデから移住し、リスボンのスラム街フォンタイーニャス地区で暮らす女性の過酷な日常を映し出した『ヴァンダの部屋』(2000)は、日本では2004年に劇場公開され、新たなドキュメンタリー表現として、大きな反響を呼びました。このようにコスタの映画は、暗闇と光の強いコントラストと、静謐かつ緻密な画面構成のなかに、現実の断片をすくい上げ、社会構造に鋭く切り込み、新たな視座を提示してきました。

今回の展示では、ポルトガルで暮らすアフリカ系移民の歴史を照らし出した『ホース・マネー』(2014)など、コスタ作品において重要な役割を担う、ヴェントゥーラをはじめとする登場人物たちや、彼らが生きる場所に関わる映像作品に加え、東京都写真美術館のコレクションも紹介します。

コスタの映像表現とその背景にある歴史的・社会的文脈に触れることで、「インナーヴィジョンズ」という主題を考察していきます。

また、会期中には美術館1階ホールにて、コスタ自身が選定した映画を紹介する上映企画「カルトブランシュ」や、代表作の特別上映も予定されています。映画の持つ力とペドロ・コスタの映像世界の奥行きを、新たな角度から体験する貴重な機会となることでしょう。

ペドロコスタ作品
ペドロコスタ作品
ペドロコスタ作品

真っ暗な会場で、映像と写真の見せ方が交錯する。

映像は薄くて透ける布に投影され、その奥の壁にも違う映像が投影されていたりする。

揺れる布に映し出された映像と、奥の壁の映像との立体的な見せ方に頭が酔いつつも、視覚や脳を刺激する見せ方に興奮もする。

移民や貧民街の人々を映し出して、社会の暗部が浮かび上がるような印象。

特別な演出もなく、じっと寄り添って見ている感じというか。

ただじっとそばにいる。

社会的背景の細かいところまでは、理解できない部分はあるけれど、切実なものは感じる。

この展示の表現の仕方にとても興味が湧きました。

会場は写真なら撮影してOKなので、トライしてみましたが、かなり暗いので、感度を上げないと撮影できませんでした。

作品をさらにカメラで撮影するというのは、ある意味愚かな行為かもしれないけど、自分の血肉になる手段の一つになるのでは、と思う。

人間の記憶なんて当てにならないので、撮ったものを後から見返して、発見することもあると思っています。

撮影不可なら、もちろん撮影はしません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

初めまして。「koresaka」と申します。
1973年生まれの50代前半で、妻と二人暮らしを続けて20年以上になります。

散歩が好きで、下北沢、新宿、代々木、原宿、渋谷といった街をよく歩きます。訪れる場所は似ていますが、変化のスピードが早いエリアなので、歩くたびに発見があり、飽きることがありません。

ブログでは、この散歩を軸に、カメラやレンズを中心とした記事を発信しています。大げさなことをするわけではなく、日々の暮らしにささやかな彩りを添えるような気持ちで書いています。

仕事の繁忙期と閑散期がはっきりしているため、撮影できる時期とそうでない時期が生まれます。そのため、更新が途切れることもありますが、ブログをやめるつもりはありません。自分のペースで、長く続けていきたいと思っています。

目次