【レビュー】オールドレンズ作例|Z6 × Nikkor-S 55mm f/1.2のノスタルジックな描写

庭園美術館の建物

久しぶりにマニュアルレンズで撮りたくなりレンズを物色。今日は50mmだろうと思っていたら、55mmを手に取りました。最近、また開放で撮ることに興味を持ち始めたので、f/1.2ののセカイを覗きたくなりました。パンフォーカス期、開放期が、繰り返しやってきます。そんな流れで今日はf/1.2。Zfcの1/4000秒では足りないだろうからフルサイズで。今日は、Nikon Z6×NIKKOR-S Auto 55mm f/1.2 で撮影してきました。

Nikon Z6とNIKKOR Auto 55mm f/1.2

Nikon Z6 は発売から時間が経っているモデルですが、今でも「ちょうど良い性能と価格」のように思います。これからフルサイズに挑戦したい人や、Zマウントの世界に足を踏み入れたい人にも、おすすめのカメラです。有効画素数、2540万画素、必要十分です。

Nikon Z6とNIKKOR Auto 55mm f/1.2

触って驚くのは、圧倒的に握りやすい、ということ。Zマウントカメラ全般にも言えますが、Z6のグリップは深くて安定感があり、長時間撮影しても手が疲れにくいのが嬉しいポイントです。手の大きい私でも何の問題もありません。重量バランスも良く、標準ズームから大きめの単焦点まで気持ちよく扱えます。

庭園美術館の小川
開放のf/1.2

そして、Z6を語る上で欠かせないのが EVFです。少し前のカメラですが優秀だと思います。ファインダーを覗いた瞬間に、目の悪い人でもこれなら撮れる、と思わせてくれるクリアさで、光の状況に関わらず画作りを確認しやすいのは大きなメリットです。ミラーレスに不安がある一眼レフ派の人でも、スッと馴染めると思います。今回の作例は全て開放のf/1.2で撮っていますが、8割はピントの山を逃しませんでした。Mr.老眼なので打率はどんどん落ちていますが。

Nikon Z6とNIKKOR Auto 55mm f/1.2

オールドレンズ好きの間で人気のある NIKKOR-S Auto 55mm f/1.2。1970年代のニコンFマウントの大口径レンズで、当時は憧れの“標準レンズの王様”として扱われた一本です。今回は、Z6のボディに、アダプターの Nikon FTZII 経由で撮影しました。

庭園美術館の植物
開放のf/1.2

まず、開放 f/1.2の世界はいいなあ。ピントが合った部分はキリッと描写しつつ、背景はとろけるようにボケる。今のレンズのような完璧なシャープさはないけど、そのわずかな滲みやハロが“雰囲気”を作り出してくれるようです。人物を撮ると肌がふんわり柔らかく見えて、どことなく映画のワンシーンみたいな空気感になります。

庭園美術館の植物
開放のf/1.2

一方で、オールドならではのクセもあります。逆光には弱くてフレアが出やすいし、開放だとピント面が本当に薄い。特にミラーレスでの撮影でも、ちょっと動くとピントが外れることもあります。でも、その不安定さすら楽しめる人には、むしろ魅力になるポイントだと思います。

開放のf/1.2

このレンズを持つと、光が差し込む場面を探すのがが面白くなります。柔らかいフレアとハロがドラマチックに写るので、何気ない風景が急にアートっぽくなります。60cmと寄れるレンズなので、小物を開放で撮ると背景が大きく溶けて、立体感のある仕上がりに。

庭園美術館の木
庭園美術館のオブジェ
庭園美術館の狛犬
庭園美術館の灯籠

現代のレンズと比べると「甘い描写」ですが、その“甘さ”こそがこのレンズを選ぶ理由です。完璧じゃないからこそ、写った写真に温度がある気がします。中古市場でも比較的手が届きやすい価格なので、オールドレンズデビューにもオススメ。撮るたびに“味のある写真”が生まれる、そんな一本です。

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この記事を書いた人

初めまして。「koresaka」と申します。
1973年生まれの50代前半で、妻と二人暮らしを続けて20年以上になります。

散歩が好きで、下北沢、新宿、代々木、原宿、渋谷といった街をよく歩きます。訪れる場所は似ていますが、変化のスピードが早いエリアなので、歩くたびに発見があり、飽きることがありません。

ブログでは、この散歩を軸に、カメラやレンズを中心とした記事を発信しています。大げさなことをするわけではなく、日々の暮らしにささやかな彩りを添えるような気持ちで書いています。

仕事の繁忙期と閑散期がはっきりしているため、撮影できる時期とそうでない時期が生まれます。そのため、更新が途切れることもありますが、ブログをやめるつもりはありません。自分のペースで、長く続けていきたいと思っています。

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