【レビュー】KODAK PIXPRO FZ55|手軽に撮れるコダックの薄型コンデジの特徴と作例

花園神社酉の市

赤いボディが目を引く KODAK PIXPRO FZ55。コストパフォーマンスに優れたこのコンパクトデジタルカメラ(以下FZ55)を、約1年間使ってきました。

kodakのコンデジ赤いFZ55
目次

FZ55が「ちょうどいい」と感じる理由

「持ってくればよかった」を減らす存在

カメラを持ち出さなければ、撮れるはずだった景色はただ過ぎ去っていくだけ。「やっぱり持ってくればよかった」——そんな後悔を、私は何度も繰り返してきました。FZ55は、手荷物が多くてメイン機を持てない日でも、とりあえずポケットに放り込める“最後に頼れる相棒”のような存在です。今回はこのカメラを片手に、代々木から新宿まで歩いて撮影してきました。

KODAK PIXPRO FZ55とはどんなカメラか

コダックというブランドの背景

KODAK PIXPRO FZ55は、アメリカの老舗ブランド「コダック」のコンパクトデジタルカメラです。フィルムの帝王とも呼ばれたコダックは、1975年に世界初のデジタルカメラを開発したメーカーでもあります。そのコダックが、現代の空気感に合わせて2022年に世に送り出したのがFZ55です。

軽量・薄型・シンプル操作

FZ55は軽くてスリムなボディが特徴で、操作系も非常にシンプル。カメラに慣れていない人でも直感的に使える設計になっています。

伊勢丹
KODAK FZ55

価格とコストパフォーマンス

2万円弱という現実的な選択肢

FZ55は人気の影響で多少の価格変動はありますが、それでも2万円弱で購入できる良心的な価格帯です。オールドコンデジが流行していますが、いつ壊れるか分からない中古品よりも、新品で安心して使えるFZ55は、コスト面でも精神的にも優れた選択肢だと感じます。

カメラ価格高騰時代の救世主

コロナ禍以降、デジタルカメラの価格は大きく上昇しました。「気軽に写真を撮る」という行為に、以前よりも覚悟が必要になった今、この価格帯で選べるFZ55の存在はとても貴重です。

木
KODAK FZ55

スマートフォンとは違う写り

「スマホらしさ」から離れたい人へ

スマートフォンは手軽で便利ですが、写真はどうしても“スマホ的な写り”になります。長くカメラを使ってきた人ほど、もう少し癖があって、柔らかい描写を求める瞬間があるのではないでしょうか。

FZ55が生む柔らかい描写

FZ55の作例を見ていると、全体的にどこか柔らかく、角の取れた描写をしてくれます。この印象が、購入を決めた大きな理由でした。現代の一眼カメラや高性能レンズは「写りすぎる」ことも多く、気軽なスナップには少し緊張感があります。その点、FZ55は肩肘張らずにシャッターを切れるカメラです。

RICOH GRと比較して見える立ち位置

内房の海
この画像は過去にGRで撮影したもの

スナップ名機GRとの違い

RICOH GRは描写力・サイズ感ともに非常に優れたスナップカメラです。ただし、近年は新品・中古ともに入手が難しく、価格も高騰しています。

「今、手に入る」ことの価値

写欲が湧いたときに、すぐ手に入って、すぐ使える。その点でFZ55は、現実的な選択肢だと思います。

サガリバナ
KODAC FZ55

懐かしさと現代性が同居する描写

写るんです世代に刺さる理由

FZ55は、光の条件によって「柔らかく、どこか懐かしい写り」を見せてくれることがあります。幼い頃、「写るんです」で育ってきた私にとって、その描写はとても親しみ深いものでした。

しっかり写る現代的な側面

一方で、光量が十分で手ブレがなければ、しっかりとした描写もしてくれます。スマートフォンとは異なる“カメラで撮った写真”を感じさせてくれる点が魅力です。

小型カメラにフラッシュがある喜び

アロエ

内蔵フラッシュの使いやすさ

このサイズでフラッシュを内蔵している点は大きな魅力です。光量も強すぎず、スナップ用途にちょうどいいバランスだと感じます。

サイズ感と携帯性

FZ55はデニムパンツの前ポケットにも収まるサイズ感。スマートフォンよりも小さく、非常に薄型です。

iPhone16eとFZ55

割り切り仕様が生む集中力

JPG専用という潔さ

FZ55はRAW撮影に非対応で、JPG一択です。この記事の写真も、すべてJPGから編集しています。その割り切りが、撮影時の迷いを減らし、写真に集中させてくれます。

おすすめの撮影設定

基本はプログラム(P)モードで問題ありません。露出補正とISO感度が選べるので、露出は-0.3〜-0.7を目安にしています。

データ転送と記録メディア

iPhone16eにカードリーダーを差している

Wi‑Fi非対応でも困らない理由

FZ55はWi‑Fi転送に対応していませんが、カードリーダーを使えば不便は感じません。私が使っているのは、SUNTRSI sdカードリーダー。主要な差し込み口は3点です。必要十分に思います。

・TFカード (microSDカードと完全互換)
・SDカード
・USB-TYPEA

FZ55に128GBのSDカードを差している

SDカード対応の安心感

SD/SDHC/SDXCに対応し、4GB〜512GBまで使用可能。オールドコンデジにありがちな制限がない点も好印象です。

FZ55がくれる撮影リズム

ガード下の男性
都会のオブジェ
道路標識

操作の手間も楽しむ

JPG 撮ってだしを Lightroom で編集しています。スマホに転送された方でも、スマホにデフォルトで入っている画像編集を少しいじるだけで補正はできるはずです。

気軽に、ただ撮る

目に入ったものを、深く考えずにパシャパシャ撮る。今回の作例は、すべてPモードで撮影しました。

ガード下
新宿御苑
下北沢

まとめ|一眼とは違う楽しさがある

FZ55は、コンパクトで頼もしいカメラです。スマートフォンのような軽快さを持ちながら、しっかりと「カメラで撮る楽しさ」を残しています。

温室の植物

機能は限定的ですが、その分、撮影に集中できる。赤いボディも街中で威圧感がなく、自然に使える点が気に入っています。一眼とは違う、新しいリズムで写真を撮れるカメラ。——ただただ、楽しい。その一言に尽きます。

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この記事を書いた人

初めまして。「koresaka」と申します。
1973年生まれの50代前半で、妻と二人暮らしを続けて20年以上になります。

散歩が好きで、下北沢、新宿、代々木、原宿、渋谷といった街をよく歩きます。訪れる場所は似ていますが、変化のスピードが早いエリアなので、歩くたびに発見があり、飽きることがありません。

ブログでは、この散歩を軸に、カメラやレンズを中心とした記事を発信しています。大げさなことをするわけではなく、日々の暮らしにささやかな彩りを添えるような気持ちで書いています。

仕事の繁忙期と閑散期がはっきりしているため、撮影できる時期とそうでない時期が生まれます。そのため、更新が途切れることもありますが、ブログをやめるつもりはありません。自分のペースで、長く続けていきたいと思っています。

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