コダックから新作フィルムが出たという衝撃
コダックから新しいカラーネガフィルムが発売されたと聞いたとき、正直かなり驚きました。フィルム市場は年々縮小し、価格は上がり続け、選択肢は減っていく。そんな流れの中で「新作フィルムが出る」というニュースは、少し現実感がなかったのです。

2025年10月1日に北米で先行販売が始まり、日本での流通はまだ先だろうと思っていました。ところが運よく、10月中に国内のカメラ店で購入することができました。しかも条件は「おひとり様1個まで」。この制限が、逆に“特別感”を強めてくれた気がします。
今回使用したカメラとフィルム

NIKON FM と Ai Nikkor 50mm F1.4S
今回の撮影に選んだカメラは NIKON FM。レンズは Ai Nikkor 50mm F1.4S です。どちらも特別に珍しい組み合わせではありませんが、機械式シャッターの感触や、露出を自分で決めていくプロセスは、久しぶりに触るとやはり背筋が伸びます。
新作カラーネガ「KODACOLOR 200」
装填したフィルムは、今回の主役である KODACOLOR 200。クラシックなKODACOLORの名を冠した35mmフィルムで、
- 広いダイナミックレンジ
- ほんのりとした温かみ
- 落ち着いた彩度
- 細かい粒状性
が特徴とされています。事前情報では、空は穏やかな青色に、肌の色は暖かく自然に再現されるとのこと。果たして実際の写りはどうなのか、期待と不安が入り混じった状態で撮影に臨みました。


フィルム価格と、今の時代に思うこと
私が購入した店舗では、
- KODACOLOR 200:1箱 ¥2,300(2025年10月23日)
Amazonでは、
- KODACOLOR 100:3箱 ¥6,100(2025年11月2日)
という価格でしたが、オンラインではすぐに売り切れました。円安や燃料費高騰の影響で、フィルム価格がどこまで上がるのかは正直わかりません。それでも、こうして新しいフィルムが選択肢として増えること自体が、フィルムを続ける理由のひとつになっています。

デジカメがあるのに、なぜフィルムで撮るのか
Leica IIIf、Leica M3、中判の MAMIYA C220 や C330。たまにこうしたフィルムカメラを使っています。デジカメは失敗を恐れず、何度でも試せる。アイデアを形にするスピードも速く、効率的です。それでも、フィルムで撮りたくなる瞬間があります。
「柔らかさ」だけではない理由
以前は、「フィルムは描写が柔らかいから」それが理由だと思っていました。ですが最近、もうひとつ大きな理由があることに気づきました。それは 物理的な実感 です。デジタルデータは便利ですが、HDDかSSDか、どちらが安全か、バックアップはどうするか、常に情報が更新され続けます。撮った実感はあるのに、“そこにある”という感覚が薄い。フィルムは違います。現像されたネガを手に取り、光に透かす。その行為そのものが、撮影体験の一部になっていると感じます。

久しぶりに持ち出した NIKON FM
デジカメでの撮影が続いていた反動もあり、久しぶりにフィルムで撮りたい衝動が湧きました。10年ほど前によく使っていた NIKON FM に、Ai Nikkor 50mm F1.4S を装着。日曜の朝、少し早起きをして撮影へ。久しぶりの操作感に、わずかな不安を抱えつつも、シャッターを切るたびに感覚が戻ってくるのを感じました。

入場料がかかることもあり、人の少ない公園。広く、静かで、撮影に集中できる場所です。
- 大きなソテツの向こうに見えるビル群
- 池に浮かぶハス
- 植物の背景に広がる青空
50mmという画角も相まって、見たままを丁寧に切り取る感覚で撮影できました。

現像とスキャンは写真屋さんにお願いしました。「このKODACOLORは初めてですよ」と言われ、妙なプレッシャーを感じつつ、10年ぶりに使ったFMに光漏れがないことを祈る時間。結果は問題なし。写っていて本当に安心しました。

KODACOLOR 200 の色味と粒状性
Lightroomに取り込んでモニターで確認すると、第一印象は 粒状性の細かさ と 優しい色合い。写真屋さん側でフィルム特性に合わせた補正はされていると思いますが、それでも色転びが少なく、自然なトーンが印象的でした。
GOLD 200 との違い
普段よく使っている KODAK GOLD 200 は、黄色味が強く出る場面があり、Lightroomで少し青寄りに補正することが多いです。一方で KODACOLOR 200 は、
- 露出補正だけで十分使える
- 肌色が自然
- 彩度が強すぎない
と感じました。人物撮影との相性も良さそうです。




どんな人に向いているフィルムか
今回使用した絞りは、
- F1.4
- F2
- F4
- F5.6
- F8
フィルム代と現像代を合わせると、それなりの金額になります。
だからこそ、
「なんとなく」ではなく、
「本当に撮りたい」と思ったときに使いたい。
KODACOLOR 200 は、
そんな気持ちにさせてくれるフィルムでした。
久しぶりに、
「またこのフィルムで撮りたい」
そう素直に思えた1本です。

