Nikonのフルサイズセンサー搭載のカメラが、Fマウント時代よりも一気に身近な存在になったと感じた理由のひとつが、Nikon Z5の存在だと思っています。Z6やZ7シリーズに比べて価格は控えめですが、写真を撮るうえでの必要な要素はしっかり押さえられていて、どんなシーンでも安定して使える、まさに万能型のフルサイズ機、そんな印象を持っています。そして、Z5と組み合わせるレンズとして高い人気を誇るのが、NIKKOR Z 40mm f/2 です。わずか170gという軽さながら、十分な明るさと描写性能を備えた一本で、このカメラとの相性の良さは言うまでもありません。

このZ5と40mm f/2の組み合わせを購入したのは、2021年頃だったと思います。そこから撮影を重ねてきて、改めて感じるのは、「入門セットとして、これ以上ないほど完成度が高い組み合わせだ」ということです。やはり道具というものは、ある程度の期間使い込んでみないと見えてこない部分が多くあります。普段はマニュアルレンズを使うことが多く、正直なところ、扱いにくいレンズばかり好んで使っています。それでも純正レンズも何本か所有していて、きちんと撮影に持ち出しています。むしろ、マニュアルレンズを多用しているからこそ、純正レンズの完成度の高さや快適さが、より強く実感できるのだと思っています。

Z5を初めて手にしたとき、まず驚いたのは「フルサイズ感のなさ」でした。これまでにD500、D810、D850といった一眼レフを使ってきた身からすると、Z5は間違いなく本格的な35mmフルサイズ機なのですが、カメラ自体のサイズや重量が非常によく抑えられています。そのおかげで、持ち歩くことがまったく苦にならない。これは想像以上でした。Z5は675gと、Z5II(700g)やZ6II(705g)よりも軽量です。グリップも深く、片手で持って街を歩いたり、首から下げたまま長時間過ごしても疲れにくい。こうしたサイズ感とバランスの良さは、Z5の大きな魅力のひとつだと感じています。
2400万画素のZ5とNIKKOR Z 40mm f/2の組み合わせで、早朝の新宿公園を散歩してきました。











このZ5は、バイクでのツーリングにも頻繁に持ち出してきました。フルサイズ機でありながらこのサイズ感、そして組み合わせているレンズのコンパクトさは、積載量が限られるライディング時において本当にありがたい存在です。カメラを持っていくかどうかで悩むことがなくなった、というのが正直なところです。多少の雨に濡れる場面もありましたし、移動中にあちこちぶつけてしまったこともありますが、今のところ大きなトラブルは起きていません。過酷な使い方だったと思いますが、それでもしっかり応えてくれています。今日は少し雑に扱うことになりそうだな、と分かっている日は、パーマセルテープを要所に貼って簡易的に補強しながら使っていました。そうやって気負わず、道具として使い込める点も、このカメラの魅力だと感じています。Z5も、そしてZ6も、撮影に集中させてくれる、実に頼りになる相棒です。



