「ボケを美しく、より滑らかにする」という明確なコンセプトのもと、アポダイゼーションフィルター(APD)を組み込んだ XF56mm F1.2 R APD。発売は2014年。こういうレンズは、個人的にど真ん中の好みです。
同じ焦点距離・同じF1.2というスペックで、すでに XF56mm F1.2 R がラインナップされているにもかかわらず、あえて“APD入り”という別の解釈を提示する。その「わずかな違い」に価値を見出し、製品として成立させてしまうメーカーの姿勢に、正直しびれます。
多くの人にとっては「別になくても困らない」存在かもしれない。でも、そこをあえてやる。数字やカタログスペックでは語りきれない部分に踏み込む。その姿勢がたまらなく好きです。

発売当時、私はFUJIFILMのシステムを持っていませんでした。使うこともなく、ただ少し距離を置いた立場でこのレンズを眺めていた記憶があります。「なんだか面白そうなことをやっているな」そう思いながら、ネットに上がる作例を眺めているだけの他社システムユーザーでした。当時、私が使っていたのは、CANONとPanasonicです。
それから時が経ち、今年になって X-E4 を購入しました。過去にX-T10、X70、X100F、を持ち、レンズは16mmと23mmを使ってきました。とはいえ、今は純正レンズは一本も持っていない状態。さて、今年最初の純正レンズ一本をどうするか。あれこれ考えた末に行き着いたのが、この XF56mm F1.2 R APD でした。
型落ちの中古だからといって、性能が劣るわけではまったくありません。むしろ、こうした “時間を経ても価値が揺らがないレンズ” を選ぶ行為そのものが楽しい。今回は状態があまり良くない個体を選んだこともあり、価格はかなり抑えられました。

多くの人が散々撮り尽くしたあとに、自分が味わう。新品では得られない、この少し屈折した満足感。合理性とは無縁だけれど、カメラやレンズを趣味として続けている理由は、案外こういうところにあるのかもしれません。
今回は、下北沢、参宮橋、明治神宮、原宿、渋谷、をぐるっと歩いて撮影してきました。だいたい15,000歩。時間を見つけてこれくらい散歩ができると満足です。X-E4はとても軽いカメラなので苦にならなかったですね。今年も終わりが近づいています。年内、あとどれくらい歩けるか分かりませんが、もう少し歩きたいです。














